ふたばだより

暑い時には胃腸系のトラブルに注意しましょう

2022年8月号(第345号)

朝から32度くらいあり、猛暑が続いています。こんな時には体温調節をしている自律神経が活躍する時なのですが、あまりにもすごい暑さなので自律神経に疲れが出てきます。

自律神経は生きていくうえで必要な調整を無意識に自動で行っています。たとえば、血圧、呼吸、体温の調整をはじめ、胃腸の調整などが主な作用です。

自律神経の疲れで体温調節がうまくいかなくなるとご存じの熱中症になってしまいます。
今の時期は食中毒が多いです。もちろん、暑いことによる病原菌の増殖や食物がいたむことが多いので食中毒が多いのですが、それだけではありません。

実はこの時期は胃腸が弱っており、少しのことでも食中毒になりやすいのです。
胃腸をいたわる方法で大切な事は、ゆっくりよくかんで食べることはもちろんのこと、時間に追われて食べることはしないようにしましょう。リラックスをして食べることが重要です。

また、朝、昼、晩の食事の時間をほぼ同じ時間に食べてください。そして、晩の食事を終えてから4時間ほどあけて就寝することも大切です。
胃は夜の眠っている時に胃の壁のメンテナンスをしますので、この時に食べ物が入ったままだとメンテナンスができなくて胃の壁の炎症や潰瘍の原因になります。

胃腸はリラックスした時に動き出します。これも自律神経がすべて行っていることです。
このように大切な自律神経の調節をする良い治療法が鍼治療です。上記の注意点に着目し、鍼治療を併用しながら今の時期を乗り切ってください。

最速で梅雨が明けてしまいました

2022年7月号(第344号)

6月中に何と!梅雨が明けてしまいました。あっという間の梅雨でジメジメした蒸し暑い時期が少なく、雨も少なかったような気がします。そして、梅雨が明けた途端に35度以上の熱波が押し寄せて身体は悲鳴を上げています。

今年の夏は大変暑いことが予想されます。こんな時は熱中症が心配ですが、とにかくやらなければいけないことは暑さに身体を慣らすことです。といっても、これだけの暑さのところにいれば逆に体調を悪くします。

そこで、やらなければいけないことは、朝や夕のまだ涼しい時に外出して身体を動かすということです。
身体を動かすと体温が上がり、それを下げるために汗が出るというのが体温調節の仕組みで、それを調整しているのが自律神経なのです。身体の部分しか汗をかけない人が多いです。

特に首から上だけ汗をかいて、手足やおなか、背中はさらっとして汗がかけない人は自律神経の乱れがあり、こういった人は体温調節がうまくいかないので、身体に熱がこもり熱中症になりやすい傾向があります。

したがいまして、身体を動かして体温を上げて汗がかけるように訓練することが熱中症の予防のためには良いということです。自律神経を鍛えるという事です。

しかし、これをするにはリスクが大きいです。暑いところを歩かないといけませんので、熱中症にかかってしまう恐れがあります。そこで、大きなスーパーを歩くことをお勧めいたします。もちろん、コロナ禍で感染リスクもありますが、これは人と人との距離をあけてマスクをすれば問題ないと思います。

普段から歩いて体温を上げ、体温が上がることに身体を慣らすことで熱中症を予防しましょう。
鍼治療は自律神経のバランスを整える良い治療法で、熱中症予防に効果があると思います。是非ご相談ください。

梅雨の時期は気象病が注目されています

2022年6月号(第343号)

低気圧が近づいてきます、雨模様になりますといったニュースがこれから盛んに言われるようになることでしょう。低気圧とは文字通り気圧が低くなるのですが、このことが体に与える影響を科学的に研究されておられる愛知医科大学学際的痛みセンター客員教授の佐藤純先生は、気圧の変化はどうやら耳にあるセンサーが誤作動を起こして脳へ影響を与え、様々な症状を引き起こすのだと説明しています。

低気圧の究極的なものは台風ですが、これが近づいてくると耳に影響を与え、めまいや耳鳴り、肩こりなど様々な症状を引き起こしてしまうものを気象病(天気痛)と呼んでいます。

そして、台風がはるかかなた赤道あたりにあってもその影響で細かく変化する気圧に耳が反応して、同じような症状を引き起こすことが言われています。脳へ影響を与える一番の場所は自律神経の場所です。

なので、様々な症状を訴えても検査をしても全く異常がみられず、「気のせい」として処理されてしまいます。これだけ苦しいのに「気のせい」といわれても納得できないのも当然のことと思います。その原因が解明されつつあるわけです。

さて、それではこれらの症状にはどうしたらいいかというと、身体を動かすことです。散歩が最適ですが、雨で外に出られない時はゆったりした音楽を聴きながらリラックスすることが大切です。つまり、ストレスが自律神経の症状を起こさせやすくしていますので、気分転換をして楽しいと思えるようなことをしましょう。

佐藤先生は耳を自分でつまんで上や横に引っ張ったり、もんだりして、耳に刺激を与えることが症状改善に有効と説明されています。あと、適度な睡眠やバランスの良い食事も大切です。
鍼治療は血行を良くし、自律神経のバランスを整える良い治療法です。鍼治療と散歩で憂鬱な梅雨の時期を乗り越えてください。

新緑の季節、外出して歩きましょう!

2022年5月号(第342号)

以前から何度も話をさせて頂いておりますが、4月から5月にかけてぎっくり腰を起こされる人が多くなっています。
その原因にはいろいろありますが、まず環境が変わる時期で、新学期が始まったり、就職や転職、引っ越しなど様々な要因で腰を酷使するようになることで起こります。つまり、普段腰の筋肉を使わないところに、必要以上に腰の筋肉を使ったことによる筋肉疲労が原因であることが多いようです。その他、暖かくなったことで寒い時にできなかった掃除をしたなど様々です。

加えて今の時期には温度差が激しく自律神経に負荷がかかります。体温調節は自律神経の大切な働きの一つですが、気温差があると自律神経を酷使して不安定になり、めまいや耳鳴り、難聴、食欲不振、不眠、倦怠感、冷え、ほてりなどの症状が出てくる頻度が高くなります。

寒い間にあまり身体を動かさなかったことにより筋力が衰えているところに不用意な行動を起こして転倒したり、物にぶつかったりして骨折を起こしてしまうこともあります。
これらのことを意識して、今まで使っていなかった筋肉を少しずつ使えるようにしていくために、気候が良いのでウォーキングをしてみてはいかがでしょうか?歩くことで首肩のコリも解消できますし、腰痛の予防もできます。動くことでダイエットも可能で、それにより生活習慣病の予防になります。

少し汗をかくことで自律神経を鍛えることができるので、様々な症状を抑えることも可能です。
15分くらい普段より余分に歩くことで上記の効果が期待できます。
新緑の季節、外出して歩くことを意識して動き回り、鍼治療と共に健康を維持していきましょう。

温かい春を迎え、人間の活動も活発に!

2022年4月号(第341号)

新学期が始まろうとしています。桜が咲き、温かくなり皆さん活発に動き回ることができる季節になりました。こんな時こそ注意が必要です。 今までやりたかったけどできなかった場所の掃除が気になりませんか?外の窓、外壁や庭などは寒い時には外に出られず放置していましたが、温かくなってその場所が気になり、そろそろ綺麗にしたくなりますね。

しかし、ここにトラブルを起こす原因が潜んでいます。一例で、長時間の窓ふきで肩や肩甲骨周辺の痛みが出てきます。長時間の草むしりで腰を痛めてしまいます。もう少し、もう少しという気持ちはわかりますが、ある程度の時間が経過したら休憩する余裕を持って活動してください。

昨年、手が急にしびれてきたと訴えられて来院された患者さんの治療に携わりましたが、長時間上を向いていたような所見を感じ、お聞きしたところ、半日間、桜を見ていたそうです。

長時間上を向いていたとことで腕にしびれが起きた可能性を指摘し、上を見ることは極力控えて頂き治療を継続したら症状は治まりました。これからの時期は痛みの疾患を発症したり、もともと痛みがある人は強くなる可能性がありますので注意が必要です。

テレビのニューズでは連日報じられているロシアとウクライナの戦争、コロナ情勢に心を痛められておられると思いますが、これらの悲しい出来事や不安が自律神経に影響を及ぼして様々な症状が出てきたりします。

めまい、耳鳴り、難聴などは自律神経症状の代表であり、食欲不振、不眠、肩こり、身体がだるいといった全身症状が出てきます。今の時期は学期(年度)がかわり学生さんも社会人も環境が大きく変わる人が多くおられ、これがストレスとなり症状が出てくる人も多いです。

鍼治療は自律神経を整え、リラックスさせることができる良い治療法ですので、規則正しい生活と適度な運動と鍼治療で克服していきましょう。

当院前の山桜が満開です

この春には身体を動かしてください

2022年3月号(第340号)

コロナ禍で皆様方、不安を抱えてお過ごしのことと思います。感染を気にして外出を控えておられる人、仕事はリモートで自宅から出ないため運動不足の人が多くなってきています。家にいると近くにある物を食べてしまって体重が増加したり、疲れないので眠れなかったりと色々な症状でお悩みの人も多いのではないでしょうか。

最近、来院される患者さんで明らかに運動不足と思えるような人が多くなってきています。運動不足 になると、肩こり、腰痛、疲れやすいといった症状が起こり、この場合の原因は筋力低下なのです。

今まで普通にできた仕事量を、低下した筋力で働くことによって筋肉などが破綻をきたし、肩こりや腰痛を起こすのです。すぐ疲れるのは間違いなく筋力低下によるものです。

ここで問題なのは、このような状態になってしまうと「こんなことで大丈夫なんだろうか?」という不安になってしまうことです。不安になると自律神経に影響を与えて様々な症状が出てきます。めまい、耳鳴り、動悸、身体がだるい、冷え性、風邪をひきやすいなど・・。 これらがもとでさらに不安になり悪循環になります。

この悪循環を断ち切るには、適度に歩くなどをして体を動かして筋力を維持することです。適度な散歩は気分転換に最適で、歩いて帰ってきた時には身体がスッキリしていることを実感できると、またやろうと思われると思います。

これからの時期は花粉症も入ってきて益々自律神経に負担をかけることになると思いますので、身体をリラックスさせて気分をリフレッシュし、気候の変化に備えて元気よく過ごしてください。

鍼治療も自律神経のバランスを整えることができる良い治療法です。是非ご相談ください。

胃・十二指腸腫瘍

2022年2月号(第339号)

東洋医学研究所®のホームページ内の適応症を掲載しています。

原因は攻撃因子と防御因子の不均衡です。

胃や十二指腸の内側をおおっている粘膜の一部に、ただれ、壊死などの変化がおこり粘膜がはがれて欠損ができる病気を胃・十二指腸潰瘍といいます。食物を消化する胃酸やペプシンは攻撃因子と呼ばれ、粘膜を保護する粘液の分泌は防御因子と呼ばれています。
健康な人では、この両者のバランスがうまくとれています。ところが、精神的・肉体的ストレスなどにより、このバランスが崩れると胃酸やペプシンが胃や十二指腸の粘膜を消化してしまい潰瘍ができると考えられています。   また、最近では粘膜保護作用のあるプロスタグランジン(生体内で合成される生理活性物質)の減少や、ヘリコバクター・ピロリ菌の関与も考えられています。

程度がひどくなると、たいへんです。

胃・十二指腸潰瘍のごく初期には、粘膜の表面がただれて、粘膜に浅い孔ができる程度ですが、進行すると、この孔が粘膜をえぐって筋肉層におよびます。更にひどくなると、胃や十二指腸のいちばん外側をおおっている漿膜にまで達し、ときには漿膜を突き破ってしまうこともあります。
発生する潰瘍の数は、一個のこともありますし、数個のこともあります。潰瘍一個の大きさは、直径数ミリメートルの小さなものから、直径数センチメートルもある大きなものまでいろいろです。

腹痛、出血、過酸が三大症状です。

腹痛、出血(吐血、下血)、過酸症状(胸やけ、げっぷなど)が、胃・十二指腸潰瘍の代表的な症状で、潰瘍の三大症状ともいわれます。 しかし、症状の現われ方は人によってまちまちで、三つの症状が同時におこる人もいれば、腹痛だけ、出血だけの人もいます。この他、吐きけや嘔吐、食欲不振、便秘などがおこる場合もあります。
しかし胃潰瘍ではまったく無症状の人も珍しくなく、いきなり吐血、下血することもありますし、胃の検診のさいに初めて潰瘍が発見される人も少なくありません。

治りやすいが、再発もしやすい病気です。

胃・十二指腸潰瘍は治りやすい病気といわれています。治療を受けなくても、自然に治ってしまうこともしばしばあります。 しかし、同時に再発もしやすい病気で、過半数は再発するといわれています。したがって、この病気を放置しておいたり、あるいは完全に治さずに治癒と再発をくり返しているうちに、潰瘍が進行して、危険な合併症をおこすこともあります。

鍼と超音波の併用療法 -胃腸疾患に対する効果-

中の1336例について、黒野所長が鍼と超音波の併用療法による各種疼痛疾患に対する効果などを詳細に研究し、これを症病別に集計しました。 その中で胃腸疾患に対しての結果は、患者188名のうち124名が著効、18名が有効、13名が比較的有効、15名がやや有効、18名が無効となり、170名の方に効果がみとめられたため、有効率は90.4%でした。 以上のことから、上記のような胃腸疾患に対する鍼治療の効果が実証されています。

さらに、東洋医学研究所®では上記を参考に30年間に亘り胃腸疾患に対する鍼治療を行い好成績をあげています。是非、副作用のない鍼治療を試してみて下さい。

健康第一を心がけて今年1年間頑張りましょう

2022年1月号(第338号)

新年、明けましておめでとうございます。 健康的に生活できる期間を示す「健康寿命」は、女性が75.38歳、男性は72.68歳で、いずれも過去最長を更新したことが分かりました。

つまり、何でも一人でやれ、自由に行動できる年齢ということです。一方、平均寿命は男性が81.64歳、女性が87.74歳です。ということは、それぞれの年齢を差し引いて、男性は8.96年、女性は12.36年の間、周りの人にお世話にならなければ生きていけないという年月となります。

長生きが基本ですが、「元気で長生き」が一番いいわけです。ご自分の「健康寿命」を1日でも長く保てるようにすることはご自分の心がけ次第でできるのです。  ガンや脳血管疾患、心臓疾患が健康寿命に大きく影響していることはご存じの通りですが、最近では認知症というものも大きく影響を及ぼすものとされるようになりました。

そこで、脳を活性化させて認知症の予防を行う必要があります。それには、五感と言われるものを刺 激すると良いようです。それが、目、耳、鼻、舌、皮膚です。目で見て音を聞き、匂いをかいで味わうことが大切です。また、物に触れて皮膚を刺激したり、外の風に当たって皮膚に刺激を与えることも忘れてはいけません。

これらを実行するには、食べ物をおいしく食べて、外に出て身体を動かすことが大変重要です。このとこで、肥満を解消できるので脳や心臓の状態を良好に保つことができます。また、身体を動かすことで免疫力を上げることができるので、コロナにかかりにくくすることができます。リラックスする時間を作りましょう。

今年も病気にならない、健康維持を目的とした鍼治療で、楽しく生活できるようにしましょう。是非、ご相談下さい。

健康維持 良いお年をお迎えください

2021年12月号(第337号)

早くも師走です。今年もコロナに始まりコロナに終わりそうな感じです。今月も変異株が新たに見つかり、ワクチンが効かないなどの情報により、警戒されています。来年はコロナに影響されにくい年にしたいものです。

今年はコロナによって生活様式など様々なものが制限され、それによるストレスで自律神経が乱れて様々な症状を訴えられて来院される人が多くなりました。特に多かったものは「肩こり」です。この肩こりは単純に筋肉の疲労といったことから肩こりを感じるものは少ないと私は感じています。

多いのは、自律神経のバランスを崩して生じる肩こりで、皮膚全体がパーンと張った状態です。このような肩こりはマッサージでは改善しません。ストレスが原因ですので、とにかくリラックスすることが効果的に作用します。

楽しいと思えることをしたり、ゆったりとお風呂につかったり、逆に適度な散歩を行って気分転換をはかったり、個人の生活習慣に合わせて適宜行っていただくことです。無理をするとそれが逆にストレスになって逆効果です。

頭痛、めまい、胃腸の調子が悪い、身体がだるい、疲れやすい、手足が冷えるなどの症状も自律神経の症状であることが多いので、是非ご相談ください。今回の冬は寒いという予報が出ています。温度差も自律神経の状態を悪くしますので、服装や部屋の温度に気を付けてください。健康維持を目的に食事、運動、睡眠をしっかりとり、コロナに感染しない身体作りを心がけましょう。

鍼治療は自律神経を調節し、特にリラックス効果が高いので、ストレスに強い身体作りの一助になりますので、是非ご相談ください。

五十肩と肩関節周囲炎

2021年11月号(第336号)

朝晩は寒くなってきました。これから日中の風が冷たくなってきます。こんな時期は肩が痛くて動かせないという患者さんが多く来院されます。整形外科のレントゲン撮影で異常がなく、五十肩と診断されて来院された患者さんを診せていただくと、症状から考えて病名が違うという感じることがあります。

どういうことかというと、肩を上げる方向や痛む場所から考えて五十肩ではなく、肩の三角筋のスジを痛めた、いわゆる肩関節周囲炎というもののようです。

これは、肩の周りには三角筋という筋肉が覆っていて、これは肩を前、横、後ろに挙げる時にそれぞれ前、横、後ろの筋肉を使いますが、動きに合わせてその部分が痛むというのが特徴的です。

一方、五十肩は水平まで腕を上げることができなく、痛む場所は肩を上げる方向に関係なく、肩関節の前か後ろになります。

治療目的は肩関節の血行改善ですので、治療方法とも両者で変わりないのですが、治療期間が違ってきます。治る期間が違うのです。

そのまま治療をせずに放置すると、五十肩は2年、肩関節周囲炎は1年かかります。そして、治療を受けられると、早くて五十肩で半年、肩関節周囲炎で3ヶ月かかるのです。もちろん、個々の生活習慣にもより五十肩で1年、肩関節周囲炎半年以上かかる場合もあります。

おおまかにいうと、五十肩は老化が原因で、肩関節周囲炎はオーバーユース(使い過ぎ)を含めて筋肉の損傷と考えられます。 これらの治療には血行を良くし、早く炎症を取り除く必要がありますし、早く良くするためにその人に合った運動やストレッチが必要になってきます。

鍼治療は血行を良くする良い治療法です。また、適切な運動のアドバイスをさせていただきますので、是非ご相談ください。

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