患者様の声

健康診断の結果が良くない

64歳 男性

肝機能低下、高血圧、動脈硬化、糖尿病

現病歴

毎年、1月に会社で健康診断をしてもらっているが、5年ほど前より肝臓の機能の低下と動脈硬 化、高血圧、糖尿病に注意しなさいと言われた。このままでは不安になり、困っていたところ、知 人に鍼治療を勧められ来院した。

社会歴

60歳まで公務員、退職後はビルの警備

症状

少し肩こり (健康チェック表;1点)

所見

血圧値;160/108mmHg 身長;162cm 体重;70KgBMI;26.7 (肥満型) 顔色は白色でやや赤ら顔 ビール1日に2本と日本酒2合 血液検査数値;γ‐GTP84 総コレステロール;245 尿検査;尿糖 +

要約

この患者さんは代表的なほとんどの成人病の疑いを指摘されています。検査の数値が少し高いが薬を飲むほどでもなく、西洋医学では経過をみる程度の人は多いと思います。このような人でも東洋医学的診断によりどこが弱っているかを把握し、総合的統御系の活性化を目的とし た全身調整の鍼治療 (太極療法) を行った。

経過

治療開始から3ヶ月間は週に3回、その後は週に1~2回の鍼治療により、1年後の検査数値はほとんど正常値となりました。現在10年間、予防の意味で週に1~2回通院中です。 血液検査数値;γ‐GTP52 総コレステロール;193 血糖値 96 血圧値;136/76mmHg 尿検査;尿糖 -

コメント

皆さんの中で、時々頭が痛かったり、下痢をしたり、寝つきが悪かった りというような症状を持っているにもかかわらず、検査を受けても異常がなくて「疲れでしょう」とか「気のせい」と言われてそのまま経過をみるだけという人 がいると思います。病気というほどではないですが、何かひっかかる症状を持っている人を半健康といいます。これは病気になる前の予備軍とも考えられますの で、放置しておくと重大な病気に発展していく事も考えられます。西洋医学ではこのような患者さんの治療は困難なことが多いのですが、東洋医学 (鍼治療) で はこのような状態から健 康に導く事ができます。

右の肩が痛い

64歳 女性

高血圧、五十肩

現病歴

約1年ほど前から編物を続けてするようになりました。そのせいか、以前からあった肩こりを強く感じるようになりました。2ヶ月ほど前から右肩が痛くなり、1ヶ月前から右肩が動かしづらくなりました。整形外科にて五十肩と診断されましたが、特に治療は受けていません。 3週間ほど前から就寝中の寝返りの時、目が覚めるようになり、眠りが浅い状態が続いています。 15年前より血圧が高く、薬を飲んでいます。

社会歴

主婦

症状

右腕を肩より高く上げられない・後に回すことができない、肩こり、耳鳴り、めまい

所見

血圧値;184/112mmHg 身長;151cm 体重;62Kg BMI;27.2 (肥満型) 首から肩・背中・腰まで全体的に硬く、身体全体の関節が硬い

要約

この患者さんは肩こりがあり肩関節がもともと硬かったことから編物などの疲労から五十肩が発症したものと思われます。 また、肩関節の痛みから睡眠が十分取れないため、疲労が取れず全身のバランスを崩し、もともと高かった血圧値が高くなったものと思われます。 したがって、総合的統御系の活性化を目的とした 全身調整の鍼治療 (太極療法) と肩関節の鎮痛効果と血行改善を目的とした鍼治療を行いました。

経過

最低でも週に3回の鍼治療を勧めて行ったところ、約10回の鍼治療で夜間の痛みが和らぎ、15回の鍼治療で血圧値が136/86mmHgとなりました。 そして、20回 (約2ヶ月) ほどで夜間の痛みにより目が覚める症状が消失しました。 しかし、昼間の肩関節の動かしづらさが残っています。引き続き鍼治療の継続が必要で、現在通院中です。

コメント

不眠の原因には色々ありますが、今回の不眠は痛みによるもので、その結果、血圧値が上昇していました。このような場合、西洋医学では鎮痛剤と睡眠薬を処方しますが、東洋医学では痛みを効率的にとり除き、全身のバランスを整えて総合的に治してゆこうとするものです。運動療法も取り入れ、少しでも早く苦痛が取れるように努力しています。 五十肩は治癒するのに長いもので1年以上かかる場合があります。患者さん個々の状態を正確に把握し、1日でも早く苦痛を取り除くために、日頃の勉強と技術の練磨を怠らないようにしてゆきたいと思います。

肩こり、太ももの後が痛い

64歳 女性

肩こり、ふともも後面のつっぱりと痛み

現病歴

若い頃から肩こりが強く、ひどくなると頭の後ろまで痛くなったことがあります。 半年ほど前から、病床の母親を看病するようになりました。母親を抱き上げたり、支えたりといった力のいる仕事をこなしたり、夜中に起こされたりといった疲れがたまってきたせいか、首から肩まで痛くなってきました。 1ヶ月ほど前から、歩いていたり、立っている時に太ももの後がつっぱって痛みがでるようになりました。その後、夜に寝ていても足のだるさがでて、眠れない時もあります。 このままでは自分の体もまいってしまうと心配になり、知人に相談したところ、鍼治療を勧められ当院に来院されました。

社会歴

主婦

症状

肩こり、首の痛み、太ももの後がつっぱって痛い、足がだるい、眠れない、めまい、腰痛

所見

血圧値;144/88mmHg 身長;159cm 体重;58Kg BMI;22.9 (標準型) 歩く姿は猫背で、前のめりぎみで歩く

要約

この患者さんは看病疲れからうつむきぎみになり、結果的に猫背に なって肩こりがひどくなったものと思われます。猫背になったことにより、体が前のめり(前傾姿勢)の状態になると、体を起こそうとして足の後に力が入り、 太ももの後の筋肉を普通以上に使うことにより筋肉の疲労が起きてきます。その結果、つっぱり感がでてきたものと思われます。 また、看病でほとんど外出をしないために運動不足となり、足の血行が悪くなってきたものと思われます。 そして、睡眠不足から疲労が取れにくくなり、さらに症状を悪化させたものと考えられます。 したがって、総合的統御系の活性化を目的とした 全身調整の鍼治療 (太極療法) で疲労感を取り、頚肩部と下肢の血行改善を目的とした鍼治療を行いました。

経過

最低でも週に3回の鍼治療を勧めていましたが、看病の関係から週に1~2回程度の鍼治療間隔になりました。開始後、2週間(4回治療)で疲労感が取れ、肩こりが楽になってきました。 3週間(5回治療)で姿勢がよくなり、夜の足のだるさも改善されました。 約1ヶ月(8回治療)で太ももの後のつっぱり感がほとんどとれ、体調が良くなりました。よく眠れるようになり、めまいや腰痛も軽減しました。 現在は1~2週間に1回、疲労回復のために通院中です。

コメント

人間は疲れが溜まると自然と姿勢が悪くなり、うつむきで猫背になっ てきます。このような状態になると、頭が前に出るため首を常に引っ張っていることになり、これが長年続くと首や肩のこりが強くでてきます。また、姿勢を戻 そうと体を起こすために太ももの後や腰が痛くなるものです。この患者さんはこのような悪循環が招いた典型的な症状です。 このような場合には体調を良くして疲れを取ることによって姿勢が良くなり、肩こりや足の痛みを和らげることができます。 人間の体のパーツ(部分的な部位)だけをみる傾向がある西洋医学と違い、東洋医学的な考え方は人間の体全体をみることにより治療法を決定してゆくものです。 西洋医学では検査により様々な原因を把握することができますが、我々は人間の身体をみて、さわって把握してゆくことしかできませんので、診察には細心の注意が必要です。常に向学精神がないとできない診療ですので、気を緩めないよう努力してゆきたいと思います。

右肩が痛い、体がだるい

55歳 男性

C型肝炎

現病歴

3年ほど前から体がだるく、仕事をするとすぐ疲れるようになりました。そこで、近くの医院で検査の結果、C型肝炎であるといわれました。インターフェロンを勧められている。 半年ほど前から、仕事に対する集中力がなくなり、午前中の体のだるさがひどくなってきました。1週間ほど前から、右の肩が抜けるようないやな痛みがあるため、知人に相談したところ、鍼治療を勧められ当院に来院されました。

社会歴

会社員 (荷物の積み下ろしをフォークリフトを使って作業する)

症状

右肩がだるい、痛い、体がだるい、疲れやすい、足がだるい、肩こり

所見

血圧値;126/66mmHg 身長;165cm 体重;67Kg BMI;24.6 血液検査;GOT(AST) 72 GPT(ALT) 148 ALP209 γ-GTP41

要約

この患者さんの体のだるさや疲れやすさはC型肝炎からくるものと思われます。また、右肩の痛みは仕事の疲れからくるものと思われますが、多少C型肝炎からの影響もあると思われます。 C型肝炎は血液検査数値をみると現在活動型であると思われます。したがって、総合的統御系の活性化を目的とした 全身調整の鍼治療 (太極療法) で体調を整え、右肩関節部の血行改善を目的とした鍼治療を行いました。

経過

最低でも週に3回以上の鍼治療を行った結果、1ヶ月後の検査数値はGOT;41、GPT;72、2ヶ月後の検査数値はGOT;37、GPT;57となり、その後は同じような数値で安定しました。インターフェロン療法は行っていません。また、体のだるさは2ヶ月後には改善され、仕事に対する集中力も出てきました。来院されてから現在まで13年が経過しておりますが、現在はGOT;64、GPT;96と若干上昇しておりますが、超音波検査では肝硬変の進展もみられず、最近注目されている血小板数(肝硬変やガンへの進展に伴って減少する) も17.8と正常値を維持しています。現在は1週間に2回、肝硬変進展の予防と疲労回復のために通院中です。

コメント

C型肝炎は十年単位で徐々に進行し、肝硬変から肝ガンへ移行してゆく慢性疾患です。したがいまして、鍼治療がどれほど進行を抑えることができるかということに対する科学的な根拠はありません。 しかし、東洋医学研究所所長の黒野保三先生の基礎的な実験によると、マウスに四塩化炭素 (肝臓の毒で肝障害を起こさせるもの) を投与して肝障害を起こさ せ、鍼をするマウスと鍼をしないマウスを電子顕微鏡を用いて肝臓組織を比較すると、鍼をするマウスの肝細胞の再生が認められたことを報告されています。ま た、臨床研究では鍼治療を行うことによりGOT、GPT値の改善が認められ、様々な症状が改善さえている結果を報告されています。このことから、肝疾患に 対して鍼治療が有効であることが認められています。症状が改善され、日常生活に支障がないようにすることがすべての病気の治療に対して一つの目標でもあります。治療が長期にわたる慢性疾患ではそれ以上悪くしないような予防も視野にいれた鍼治療を心掛けてゆきたいと思います。 最後に、C型肝炎やエイズは鍼治療で移ると言われていますが、確かにC型肝炎患者さんに使用した鍼を違う人に使えば移る可能性があります。しかし、当院を はじめ、東洋医学研究所や東洋医学研究所グループは完全に使い捨ての鍼を使用し、手指の消毒も万全ですので、移る心配はありません。安心して来院して下さ い。

夜泣き

1歳 女児

小児の夜泣き

現病歴

3日ほど前から、一晩に2~3回ほど泣くようになった。 昼間はちょっとしたことでも怒ったりする行動がみられるが、熱があるわけでもなく、夜になると泣くので心配になり来院。

社会歴

父親は会社の忘年会等で毎晩遅く帰る、母親は主婦

症状

夜泣き、かんが強い

所見

特になし

要約

この患者さんは典型的な小児の夜泣きです。子供は環境の変化に敏感で、ちょっとしたことでもすぐ心や体のバランスを崩しやすいのです。この子供の場合、今まで父親が夜には居たのに急に居なくなったことが原因で不安になった結果に生じたものと思われます。また、よく話を聞くと、母親が夫の帰りが遅くてイライラしがちだったことも後になって判明しました。したがって、総合的統御系の活性化を目的とした小児鍼を行いました。

経過

毎日鍼治療を行いました。その結果、1回の鍼治療でその晩は1回だけ起きましたが激しく泣くことはなく、2回の鍼治療でその晩は1回も泣くことがなくなりました。母親には日頃からイライラしないようにお願いしました。父親は3日後から普通に帰宅するようになりました。3回の鍼治療で終了しましたが、子供は敏感であることを伝え、夜泣きかなと思ったら早めに来院するように勧めました。

コメント

小児に対して行う鍼治療を小児鍼 (しょうにしん)と言います。この 小児鍼は大人の鍼のように鍼を体に刺すのではなく、体に鍼を当ててこするようにする方法ですので、子供は痛たがらずに、むしろ気持ちいいので喜んでいるの がわかります。もちろん、大人の鍼も一定の技術があると痛くなく鍼を体に刺すことができます。夜泣き、かんむし、夜尿といった症状はこのように精神面から くる場合が多いのです。子供は敏感ですので環境の変化で体調を崩しやすい反面、少しの適度な刺激でバランスを整えて元に戻ろうとします。安心して来院して下さい。

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