寒い時に鍛えて猛暑の夏に備えましょう
2025年2月号(第376号)
暦では立春を迎える2月ですが、最も寒い季節です。インフルエンザなどの感染症が蔓延する時期です。加えて花粉症の症状も気になる季節です。何かと外出する気が起きなくなる季節ですが、こんな時こそ冷たい空気を吸って身体を鍛えましょう。
昔と比べて冷暖房完備の部屋にこもっていることで、暑さや寒さに耐えられない身体になってきています。暑い時は汗をかく、寒い時は熱を産生して寒さに耐える・・。そういった機能が低下してくる、いわゆる自律神経が脆弱化してきています。その結果、免疫力が低下して感染症をはじめ免疫異常としての花粉症が強く出てくるのです。
もちろん、寒い所に出ていって歩く時間はそれほど長くなくても大丈夫です。防寒対策をしっかりして、暑くなってきたら少しずつ服を脱ぐことを忘れないでください。自律神経を鍛えて免疫力を高めることを目的に行っているに風邪をひいてしまっては逆効果なので・・。
肩や腰、膝が痛くなるメカニズムは冷えによる血行不良です。したがいまして、血行を良くするには身体を動かして血行を良くすることが一番の近道ですし、身体の血行が良い状態が長く続きます。
そして、身体を使った後はしっかり休憩をとることが必要です。心も体もリラックスすることが重要で、このメリハリが身体を丈夫にしてゆくのです。リラックスはゆったりのんびりしたり、楽しいと思うことをすることです。
鍼治療はリラックスするために必要な副交感神経を高めることができることが私達のグループの研究で証明されています。正しい日常生活の習慣と鍼治療で健康管理ができますので、是非ご相談下さい。
心穏やかに、リラックスを心がけましょう
2025年1月号(第375号)
新年、明けましておめでとうございます。
昨年は猛暑が続いた後、すぐに寒くなってしまい、過ごしやすい季節が短かったです。その結果、外出する機会が少なく運動不足で筋力低下を招いてしまった年でした。この事が腰痛や膝痛につながってしまい、多くの人が訴えられています。
腰も膝関節も周囲の筋肉で上半身の体重を支えているわけですが、この筋肉が筋力低下を起こすことによって体重を骨や軟骨で支えるようになり、その部分に炎症が起き、痛みやシビレなどの症状が出てくるのです。
急激な寒さによる冷えによって血行が悪くなり、益々痛みが強くなってきています。
病院でレントゲンやMRIなどの検査をしてもらっても、そこまで異常ではないと言われたにもかかわらず、いつまで経っても良くならない状態は上記の原因によるものと考えられます。そして、いつまで経っても良くならないので、将来への不安や恐れ、悲しみといった感情が出てくると痛みを強く感じてしまうのです。したがいまして、不安や恐れ、悲しみ、怒りといった「負の感情」をコントロールし、気持ちをリフレッシュさせるために外出をして適度に身体を動かすことが重要です。
「負の感情」は身体を過度に緊張させてしまいますので、自律神経にも悪影響を及ぼします。 その結果、めまい、耳鳴り、難聴、体がだるい、食欲がないといった症状を引き起こすことがあります。もちろん、仕事の疲れによるストレスでもこのような症状が出てきます。全て過度の緊張が招いて起こるものですので、1日の中で楽しいとか嬉しいといったリラックスをする時間を作ってあげてください。
今年も鍼治療で部分の血行を良くし自律神経を整えましょう。そして適度に体を動かして筋力を維持し、楽しく過ごしていきましょう。
苛酷になってきた環境に対応できる身体作り
2024年12月号(第374号)
今年も残りわずか・・。今年もひどい暑さでした。治療室では11月初旬まで冷房をし、11月中旬には暖房が必要になりました。窓をあけて何もしない快適な季節である「秋」がどこかに行ってしまったような感じでした。
こんな季節ですと、急激な気温変化が身体に与える影響は大きく、咳や鼻水、くしゃみが出て困っておられる人が多くみられました。急激な気圧変動や冷えで血圧が上がったり、手足の冷えがひどく、頭痛や耳鳴り、肩こりを訴えられる人も多くみられます。
これからは過酷な気候変動が当たり前になることを予想し、このような環境に対応できる身体作りが大切だと思います。
その方法は簡単なことです。夏には暑さを身体に教え、冬には寒さを身体に教えるということです。
つまり、夏には暑い所で身体を動かし汗をかき、冬は冷たい空気を顔に当て冷たい空気を吸い込むことなのです。
つまり、冷房や暖房の部屋に1日こもっているのではなく、1日に一度は外に出て身体を動かすということです。
会社で夏は冷房で寒くて、冬は足元は寒いけど顔が暑くて赤くなるという環境にいる人は必ず外に続けて30分くらいはいるようにしてください。
暑さ・寒さを身体に覚えさせるとは、自律神経を正常に働かせるための行為なのです。夏なのに寒い、冬なのに暖かいという環境にいることが自律神経を正常に働かせることができなく、体温調節や免疫機能が上手くできなくなり、様々な症状が出てくるというわけです。
鍼治療は自律神経を調節することが可能です。病気にならない身体作りのお手伝いができます。
是非ご相談ください。
足腰を鍛える時期です
2024年11月号(第373号)
早いもので、あと2か月で今年も終わりです。10日ほど前には冷房をしていましたが、10月末からは暖房をするというような急激な気温変動で体調を崩す人が多くなりました。体調を崩す原因は体温調節をしている自律神経の不調によるものです。この自律神経を整えていくには適度な運動が最適だと思います。
体重を落としていくには夏よりも冬の方が効率的に痩せれます。なぜかというと、冬は体温を上げていかなといけないため、エネルギーの消費が多いからです。そして、エネルギー消費の源は筋肉が一番多いのです。この筋肉で、大きな筋肉は膝を伸ばすための筋肉である太ももの前の筋肉と足を上げるための足のつけねから後ろに回って腰に付いている腸腰筋という筋肉の二つがあります。
「足腰が鍛える」という言葉は文字通り膝と腰を鍛えるということですが、外では歩く、家ではスクワットをすることで二つの筋肉を鍛えることができる簡単な方法です。さて、効率よく足腰を鍛える歩くという動作ですが、背筋をまっすぐに伸ばして歩くことを意識してください。
股関節から腰に回って付く腸腰筋は足を上げる筋肉ですので、歩く時に足を上にしっかり上げる必要があり、そのためには歩幅を広げることが重要です。歩幅を広げるためには、腰を曲げて前かがみでの姿勢ではできません。正しい姿勢を維持してしっかり足を上げる必要があります。歩幅は普段の歩幅より2~3センチでもいいので長くとるイメージでいいです。決して早くあることを思わなくて結構です。
家でするスクワットは膝がつま先より前に出ないことを前提に、ゆっくりすることを心がけると効果が上がります。続けて10回やれれば完璧です。
鍼治療は血行を良くする良い治療法です。また、適切な運動のアドバイスをさせていただきますので、是非ご相談ください。
猛暑で運動不足による筋力低下
2024年10月号(第372号)
今年の夏は異常なほどの暑さで、外にも出られないほどでした。身体全体の機能を維持するにはウォーキングが良いという話は何度も述べていますが、猛暑で外に出られないことで運動不足になって筋力が低下し、これが原因で腰痛を起こして来院される人が多かったです。
筋肉量は25歳をピークに徐々に減少し、50代から急激に減少します。25歳時の筋肉量を基準にすると、60歳で約40%、70歳で約70%減少すると言われています。若い頃は平気でできた作業が年と共にできなくなるのは当然なことなのです。
このことから、1日の仕事量を100として若い頃は100の筋肉でこなせていた作業が、年と共に筋肉が減少して80になっていると、20足りないので仕事の最後の方は筋肉が疲労を起こして機能しなくなるのです。
腰は上半身の体重を周りの筋肉によって支えられていますが、筋力が低下すると上半身の体重を骨で支えるようになるために、椎間板や関節に負担がかかり腰痛を引き起こすのです。
このような時にはどうしたらいいかというと、100の仕事を80の筋肉でこなしていた80を90~95まで回復させることです。具体的には仕事が終わって帰宅する玄関先で家に入らず5~10分ほど歩くことです。
疲れている時こそ少しの運動量で筋力がアップするので短時間で効率良くジャンプアップできるわけです。
仕事でたくさん歩いているから運動不足はありませんと言われる人もいますが、そうではなくて、その全ての動きを100として100の筋肉でこなしていないので、帰宅前にさらに歩いて100に近づけるイメージです。
鍼治療は腰痛自体の痛みを軽減します。
さらに筋肉の血行を良くし、運動により疲れた筋肉を効率よく回復させることができます。
めまい、耳鳴り、頭痛・・気をつけましょう
2024年9月号(第371号)
めまい、耳鳴り、頭痛・・気をつけましょう
今年も昨年同様、猛暑、台風、ゲリラ雷雨など私達の生活を脅かす厳しい環境下におかれています。こんな時は気圧の変化が激しく、様々な症状が出てきます。
気圧の変化を耳の中のセンサーが感じ取って脳の中に信号を送ります。脳の中で誤作動が起きて自律神経を調整している場所が異常に興奮して自律神経の特徴的な症状が現れてくるのです。
代表的な症状に、めまい、耳鳴り、頭痛、不眠、のぼせ、体がだるい、食欲不振などがあります。脳の中での誤作動を起こす原因には疲れや運動不足などが大きく関与しています。
つまり、体調が悪いと環境の変化に耐えられなくなり、過敏になって自律神経の症状が出てくるわけです。
とはいえ、これだけ暑いと外を歩くのも大変です。
しかし、歩かないと疲れないので眠れず疲れがたまる一方です。
早朝や夕方を狙って歩いてみてください。
適度に身体を動かすと、体温が上がり、汗をかきます。
この働きが自律神経の働きなので、汗をかいて体温を下げる働きをしっかり使ってあげて、自律神経を鍛えてあげることが必要です。
環境の変化が原因で起こる症状は、一時的なことが多く、基本的に長続きしませんので、そのうち良くなるだろうという軽い気持ちが大切です。
不安に思っているといつまでたっても良くなりません。良くならないのでまた不安になってさらに悪くなるという悪循環に陥るのが自律神経症状を訴えられる患者さんにはよく遭遇します。
気持ちを落ち着かせてリラックスすることがこの症状を改善する近道です。
気圧の変化はこれからも続きます。上記を参考に元気に乗り越えてください。
鍼治療は自律神経のバランスを整え、リラックス効果が期待できる治療法です。是非ご相談ください。
熱中症に注意しながら、ならない身体作りを!
2024年8月号(第370号)
朝から30度を超えて日中は35度を超える猛暑が続いています。
それと重なって、コロナの新しい型が流行して大変過ごしにくくなっています。
もともと、コロナは冬のイメージがありますが、毎年、夏にもピークがあります。
さて、「熱中症に気を付けましょう」と言われ、外出はしないように、冷房の部屋で過ごすということですが、私はこのことに疑問を感じています。夏なのに涼しい所ですごすと、自律神経が誤作動を起こすことが考えられます。
自律神経は体温が高くなったら汗を出して体温を低下させる働きがあります。この機能があるからこそ、人間は健康に生きていけるのです。
ところが、自律神経が誤作動を起こすと、体温が高くなっても汗をかくという働きが鈍くなり、体温が極端に上昇してしまうのです。その結果、少し高い条件下で熱中症になってしまうのです。
当院には徒歩や自転車で来院される患者さんが多くみえますが、その中には全く汗をかいておらず、身体に熱がこもっている患者さんが何人かいます。また、胸から上、特に顔だけにしか汗が出ず、見ると滝のように汗をかいておられる人がいます。このような人達は自律神経の誤作動でうまく汗が出ないため、熱中症になりやすくなっています。
このような状態の人には外に出て身体を動かし、汗をかく練習をしていただくようにお伝えしています。もちろん、酷暑の中を歩くわけですから30分も40分も歩けば確実に熱中症になってしまいます。朝や夕方の時間帯を選んで、初めは5~10分程度の運動からお願いしています。
十分注意して汗をかき、鍼治療で自律神経を鍛えて今の時期を乗り切りましょう。
梅雨の内容が変わり、過ごしにくくなりました
2024年7月号(第369号)
早いもので1年の半分が過ぎてしまいました。
現在、梅雨真っ只中です。
最近の梅雨は以前の梅雨とは異なる感じになりました。
以前の梅雨は毎日が灰色の雲におおわれて、シトシトと雨が降り続き、気温は低めですが、ジメジメしていました。
ところが、最近の梅雨は日が差して、その合間に激しく降るというもので、ジメジメ感は変わりませんが、温度が高い傾向にあります。熱帯雨林の気候で過ごしにくくなり、体調にも大きく影響が出てきそうです。
ずっと低気圧が停滞することで身体の血行が悪くなり、弱い所の血行がさらに悪化して痛みが強くなったり、気持ちが落ち込むような感じが出てきます。
最近は晴と雨の差、つまり気圧が激しく上下しているため、内耳の器官に影響をもたらし、その結果、自律神経の状態が悪くなってくるのです。
代表的な症状が頭痛、耳鳴り、めまい、身体がだるいといったもので、これらの症状を当院に来院される患者さんが多くおられます。もちろん、痛みが強く感じられる人も多くなってきています。
雲がおおいかぶさり、ジメジメして気温が高いと気持ちも落ち込み不安になってさらに自律神経が悪くなってしまいます。
こんな時には、晴れてくると少しは楽になる、それまでの辛抱という気持ちを持って、気を楽にすることが梅雨を乗り切る第一歩だと思います。
外を歩ける機会がありましたら気分をリフレッシュさせることも大切です。
体温調節も自律神経の役目で、悪くなると微熱が出たりします。風邪かなと思ったら、まず、外に出て身体を動かし汗をかいてみてください。
それだけで改善する場合があります。
今までの梅雨よりも気温が高くなり、気圧の差が激しくなってきていますので、以前よりも自律神経の状態が悪くなりがちです。
適度に体を動かすことと継続した鍼治療で梅雨を乗り越えましょう。
梅雨の時は痛みが強くなります
2024年6月号(第368号)
もうすぐ梅雨入りですね。こんな時は気温、気圧、湿度などの環境が大きく変化して、身体に影響を及ぼすことが報告されています。
気温、気圧、湿度によって主に自律神経が刺激され、様々な症状が発症します。
例えば、吐き気、耳鳴り、めまい、身体がだるい、痛みが強く感じるといった症状です。
特に注意することは、膝や腰が痛い人ではその症状が強くなることです。
痛みが強くなると、状態が悪くなってしまったと勘違いして不安になったりしますが、実はこの不安がさらに痛みを強く感じさせて、ますます不安にさせるといった悪影響を及ぼすことがあります。
低気圧で身体全体の血行が悪くなり、調子が悪い部分の血行がさらに悪くなるために痛みが強く出てしまうのであって、決して悪くなっているわけではないということを知っておいてください。
では、どうしたら痛みが和らぐのでしょうか?
まず、身体の血行を良くするために、日中に適度な運動をしましょう。
全体的に血行が良くなれば、気候の変化でも血行が維持されるようになります。
また、自律神経を鍛えて気候の変化に備えることができれば、痛みも和らぎますし、嫌な症状からも解放されます。
気分転換とじんわり汗が出るような適度な運動を心がけましょう。散歩が一番良い方法だと思います。
これからの季節を乗り越えるためのキーポイントは「睡眠」「食事」「運動」です。
この三つのどれかができていないと三つともできなくなり、これらは体調を整えるためには大切な項目です。
適度な食事を摂ることで適度に運動でき、疲れて眠ることができ、疲れをとることができるわけです。疲れがたまると環境の変化についていくことができないので、様々な症状が出やすくなります。
鍼治療は血行を良くし、自律神経のバランスを整える良い治療法です。
鍼治療と散歩で憂鬱な梅雨の時期を乗り越えてください。
自律神経障害による症状が増えています
2024年5月号(第367号)
新緑の季節、さわやかな季節ではありますが、その一方で、気温や気圧の変化が大きくなり体調を崩す人が多くなってきました。
めまい、頭痛、胃腸の調子が悪い、食欲がない、動悸(ドキドキする)、体がだるい、微熱、不眠、肩こりなどは代表的な症状です。
このような症状は大変不快ですし、体のどこかが悪くなっているのかしらと不安になられることと思います。
その不安がこのような症状をさらに強くさせる原因になっています。
うつ病をお持ちの人は、その症状がさらに強くなってしまいます。
腰痛も今の時期に多くなる傾向にあります。
上記の症状で病院を受診し検査を受けても異常がないというのが特徴です。時々重篤な疾患が隠れている場合もありますので検査を受けられることは悪くありませんが、薬をもらって漫然と服用しているだけでは、その症状は良くなってきません。
まず、そのつらい症状は季節のものだからいつかは良くなるだろうと思うことが大切で、決して不安に思わないことです。
次に、今の季節に悪くなるのですが、その季節を逆手にとって自分で良くしようとする姿勢が大切です。
さわやかな季節ですので、気分転換ができる最適な季節でもあるのです。
調子が悪いから家の中でじっとしているとますます悪くなりますので、外に出て太陽の光を浴び、ぶらぶらと散歩をしてみましょう
じわっと汗がかけるくらい歩けると百点です。
微熱が出る場合も多いので、風邪ではない場合もあります。
鍼治療は自律神経を調節する良い治療法です。是非ご相談下さい。
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