夏の疲れで足のだるさ、しびれが出てくる季節
2023年9月号(第358号)
今年は過去にない猛暑だという報道に、外出をやめておられる人が多いように思います。実際、外を歩くと暑くて息苦しくなることもあります。こんな時は日中の活動が妨げられて足の血行が悪くなり、足がだるくて歩きにくくなり、さらに外に出るのがおっくうになってしまいます。その原因は足の血行が悪くなることなので、だるさに加えて、しびれたり、むくんだりといったトラブルに発展する可能性があります。
足の血行が悪くなると、血行を元に戻そうとする身体の防衛反応から無意味に血圧が上がってしまいますし、自律神経が乱れてめまいや耳鳴り、胃腸の調子が悪くなったり、不眠や不安感が強くなったりします。
そうしたら、どのように対処していったらいいかというと、足の血行を良くするために歩くことをお勧めします。
これからは、朝晩は涼しくなってきますので、涼しい時に散歩に出られたらいかがでしょうか?時間にしたら20分くらいでも大丈夫です。
はじめのうちは少なくていいですが、できれば40分くらい歩けるようになるといいと思います。スーパーやショッピングモールなどの涼しい所もお勧めです。
外に出て歩くことが困難な人は、椅子に座っている時に前に椅子を置き、その上に足を乗せて股関節と同じ高さに足を上げてあげることも効果的です。
ふくらはぎは第二の心臓と言われていて、これを使うことにより長時間の足の血行が良くなりますので、立って家事をしている時に踵(かかと)を少し上げて立ったり、かかとの上げ下げをするとふくらはぎを使って血行が良くなってきます。
鍼治療は足の血行を良くして、自律神経のバランスをとる良い治療法です。是非ご相談ください。
熱中症に注意しながら、ならない身体作りを!
2023年8月号(第357号)
朝から30度を超えて日中は35度を超える猛暑が続いています。外を歩くと熱中症が心配ですね。
しかし、熱中症が怖いからといって家の中で冷房を当たっていると逆に暑さに耐えられなくて熱中症になりやすい身体になってしまいます。
自律神経は身体の体温を常に一定に保つために、汗を出して体温の調整をしています。汗を出す機能を使わないと汗を出す機能が低下して、体温が上がってしまい熱中症になってしまいます。
外を歩くと熱中症、家の中にいても熱中症になりやすい身体になってしまう・・、やっかいです。コロナ禍で運動できる場所がなくて運動不足の人が多く、汗をかく機会が少ないことと、冷房に入り快適な温度で暮らすことで汗をかく機会が減ったことが熱中症が増えてきたものと思います。
もちろん、外気の温度が昔に比べて高温になっていることが一番の原因でしょう。気温が低下してから運動を・・。8月中は高温が予想されるそうです。
こんな状況で外を歩くことは不可能ですが、早朝か日が暮れてから15分でもいいので歩いて汗をかく習慣を持つことが大切であると思います。
また、日中に歩くことを検討さえれておられる人は大型のショッピングモールを歩くこともいいかもしれません。
さかのぼって、暑さに強くなるには、冬の寒い時に冷たい風に顔を当てて体温を維持する自律神経を鍛えることが大切なのです。
暑い時にも汗をかいて歩くことが寒さに耐える身体作りができるのです。
熱中症にならない身体作りのために熱中症になっていてはいけませんので十分注意をして汗をかき、鍼治療で自律神経を鍛えて今の時期を乗り切ってください。
ジメジメした梅雨を乗り越えよう
2023年7月号(第356号)
昨年は6月中に梅雨が明けてしまいましたが、今年はジメジメした蒸し暑い日が多く、急な雷雨による激しい雨が降っています。こんな時はめまい、耳鳴り、体がだるい、微熱、頭痛などの症状を訴えられる人が多いようです。
気圧による体調の不良は以前に何度もお伝えしている通り、気象病というものによるものです。しかし、この症状は基本的には長くは続きません。天気が回復すると徐々に症状が改善します。
この症状を起こさせる一番の原因は自律神経によるものです。自律神経は体温調節や胃腸の調節、血圧、その他の内臓を調節しているものですが、この神経の誤作動によるものと考えられています。
なので、本当の病気ではなく、その症状が出ているだけだと思ってください。
しかし、この症状が長続きする一番の原因は、どうしよう、困った、不安だという気持ちが強くあると症状が改善しません。不安などが身体にストレスとして入り込み、自律神経をさらに悪くするからです。
したがいまして、まずやらないといけないことは、身体を動かして汗をかき、自律神経を鍛えることです。身体を動かすと体温が上がり、その体温を下げるために汗をかくという作業は自律神経の作用です。現代人は冷房に頼り、夏でも寒い部屋にいて汗をかかないことが自律神経を弱くしているのかもしれません。
コロナ患者も最近多くなっているそうですので、これも心配ですが、気象病を乗り越えるには自律神経を鍛えることです。自律神経は免疫力にも関係していますので、一石二鳥だと思います。
まとめますと、時期が来ると症状が改善するんだという気持ちを持ち、適度に体を動かすことです。また、鍼治療は自律神経のバランスを整える良い治療法で、気象病予防に効果があると思います。是非ご相談ください。
梅雨の時期は耳の症状に注意
2023年6月号(第355号)
例年よりも少し早く今年は梅雨に入りました。沖縄方面には台風が接近中です。こんな状況の中、中部大学生命健康科学部理学療法学科教授・愛知医科大学客員教授の佐藤純先生は、フィリピンくらいにある台風でも私達の身体に影響を及ぼすということを証明されました。小刻みに上下する気圧の変化が身体に影響し、吐き気、耳鳴り、めまい、身体がだるい、痛みが強く感じるといった症状を引き起こすと言われておられます。ここで問題なのは、困った、どうしよう、このままだと仕事ができなくなってしまうという不安が強くなることです。
この気候の変化で起こす症状のおおもとの原因は自律神経の不調によるものですので、不安が自律神経に影響を及ぼしてさらに悪くしてしまうということです。
気候の変化は台風だけではありません。急な雷雨の時、雨と晴の差など様々な気象変化によって私達の身体は影響されるのです。近年、ゲリラ豪雨といっていますが、この時も症状が強く出てしまいます。
それでは、今後はどうしたらいいでしょうか?まず、気持ちを落ち着かせることだと思います。つまり、今、この頭痛は気候によるものだから、ずっと続くわけではなく、晴れてきたら落ち着いてくるだろう。まあ、心配しなくてもいいよねと思うことが大切です。
そして、好きなことをしたり、のんびりと散歩にでかけたりして気分転換をはかりましょう。
あと、適度な睡眠やバランスの良い食事も大切です。眠れなかったり食べれなかったりすると体調を崩します。しかし、この症状も実は自律神経が関係していますので、リラックスして自律神経を整え、気候の変化に対応できる体を作りましょう。
鍼治療は血行を良くし、自律神経のバランスを整える良い治療法です。鍼治療と散歩で憂鬱な梅雨の時期を乗り越えてください。
新緑の季節、気分のリフレッシュが必要です
2023年5月号(第354号)
コロナの第9波が心配ではありますが、とりあえず少しずつ社会が以前のような感じに戻りつつあります。
新学期、新年度が始まり、周りの環境が大きく変わった人が多いともいます。就職や転職、引っ越しなど様々な要因により体調を崩された人も多く、疲労による腰痛、ストレスによる肩こり、人間関係がぎくしゃくしてうつ状態になられている人も多い感じがします。新緑の季節は「木(こ)の芽どき」とも呼ばれ、気温の変化が大きく体調を崩しやすい時期です。
風邪をひいたり、ぎっくり腰を起こしたり、ゆううつな気分になったり・・。
これらを解消するには外出して気分をリフレッシュさせるのが一番です。好きな趣味があればそれを楽しむのも乗り越える一つの方法です。
今年の傾向として、最近まで暖房を付けていたと思ったら急に熱くなって、お店には冷房が入っていて、そうかと思ったらまた寒くなって暖房といった不安定な時期です。こういう時期を乗り越えるには適度な睡眠と食事、運動を行い、体調を整え、季節の変化に対応できる身体作りが大切です。
西洋医学は外から来たウイルスを撃退する医学ですが、東洋医学はウイルスに感染しないような身体作りを目指した医学です。そのためには地道に自分で努力しなければいけませんが、これが最も身体に優しいものだと思います。
以前から何度も述べさせていただいていますが、自分で努力して自律神経を鍛えて乗り切ることが大切です。薬やサプリでは得ることができません。
睡眠・食事・運動、そして鍼治療で新緑の季節がさわやかな時期だと思えるように乗り切っていきましょう。そうすることで、コロナを撃退できますし、健康を維持する最も近道だと思います。
今年も気象の変化が大きそうです!
2023年4月号(第353号)
桜が咲き、これからの季節、気温の変化が出てくる季節です。
この季節は花粉症も気になりますが、自律神経の状態も良くないことが多く、すでにたくさんの患者さんが、自律神経が原因の症状を訴えられておられます。
そもそも自律神経って何?ってことになりますが、これは自分では全く意識をしてなくても生きていくための機能を自動で行っているものです。
たとえば、意識をしていなくても呼吸ができ、心臓が動き、汗が出て、食べた物を消化吸収してくます。
これがすべて自律神経の働きです。
目の前にクマが現れたら全力で走って逃げる動作を行いますが、この時、体の中は心臓の脈拍が増え、呼吸が荒くなり、体がパーンと張った感じになります。
この状態を作り上げてるのが自律神経の交感神経が行っています。
一方、夜にゆったり食事をしたり、お風呂に入っり、テレビを見たり読書をする時には心臓の脈拍数が減り、呼吸もゆっくりでくつろいだ感じになります。
この状態を.作り上げてるのが自律神経の副交感神経が行っています。
ここで大切なことは、疲れたら誰でも休憩をとります。
人間の体は自律神経の交感神経が活動のための神経、副交感神経が休憩のための神経です。
なので、副交感神経の活動が多い方が休憩が長くなるので、体は楽なのです。
ホッとする、楽しい、うれしいという時間が長ければ人間の体を休憩の方向に持っていけます。
一方、緊張した状態で活動(仕事もそのひとつ)する、怒り、悲しみ、不安などを抱えておられる人は交感神経が過剰に働き、体にダメージを与え、高血圧や糖尿病といった生活習慣病が発症したり、めまい、耳鳴り、難聴、食欲不振、不眠、肩こり、身体がだるいといった全身症状が出てきます。
鍼治療は自律神経を整え、リラックスさせることができる良い治療法ですので、規則正しい生活と適度な運動と鍼治療で克服していきましょう。
春は自律神経症状が悪くなります
2023年3月号(第352号)
コロナが弱まってきた途端、インフルエンザが流行し始めています。そして、花粉症が皆さん少しずつ出てきています。
神経疲れ(インフル)に免疫の疲れ(花粉症)、そして気候の変化が大きい季節になり、自律神経が大変活躍することになり、自律神経の疲れが出てきます。
自律神経の乱れから、めまいや耳鳴り、胃腸の不調、頭痛、体の疲れ、肩こりなどの症状が起こってきます。
それと共に、心の病である不安や落ち込みなども出てくる時期で、これは5月まで続くものと思われます。
4月から新年度で環境が変わることが大きな要因になっています。
日中の仕事などで強い緊張が入ってくると様々な症状が出てきますので、これを解消するには「ゆったり、リラックス」の時間を作ることが大切なことです。人間には気分転換(リフレッシュ)が必要です。
この緊張とリフレッシュを交互交互にバランスよく取り入れることができれば大変体調が良くなるのです。
また、上記のような症状が出てきても今の時期だけなので、時期が来ると良くなると信じて気にしないようにすると自然と忘れるようになります。
自分の健康のことが気になりますが、もっともっと自分の体に自信を持ち、必ず良くなるんだという強い意志を持っていただくことが改善のきっかけになると思います。
自律神経を良い状態に保つことで健康を維持することができますので、身体をリラックスさせて気分をリフレッシュし、気候の変化に備えて元気よく過ごしてください。
鍼治療も自律神経のバランスを整えることができる良い治療法です。是非ご相談ください。
自律神経を調節して健康を保ちましょう
2023年2月号(第351号)
自律神経という言葉はよく聞くのですが、実際どういうものか、これをどうしたらいいのかという疑問をお持ちの人は多いと思います。
自律神経は自分で意識をしなくても活動してくれている神経です。
例えば、呼吸をする、心臓を動かす、食事の後に胃を動かして消化する、暑いと汗をかくなど、内臓に作用して生きていくための大切な働きをしています。
自律神経には交感神経と副交感神経があり、車に例えると交感神経はアクセル、副交感神経はブレーキと思ってください。
走っている時は筋肉に大量の血液を送るために心臓を強く脈拍を早くし血管を収縮させます。
また、大量に酸素を取り入れるために呼吸を荒くします。
これらの一連の動作を無意識に行っているのが交感神経です。
一方、ゆったり食事をする、静かに読書をすることでリラックスした状態を作るのが副交感神経です。
上記とは逆に心臓をゆっくり動かし、胃腸に血液を送り、呼吸もゆっくりになります。
車はアクセルを踏んでいるだけではエンジンが壊れてしまいますし、どこかにぶつかってしまいます。
人間の体も同じで、アクセルである交感神経を常に活発していると生活習慣病に代表される高血圧や糖尿病などに罹患してしまいます。
仕事や家事、育児で日中活動的にアクセルを踏んだら、夕方から夜にかけてブレーキを踏んでリラックスすることをお勧めいたします。
リラックスすることで夜に眠れるようになり、次の日も活動的に動けるといったサイクルを作りましょう。
鍼治療はリラックスするために必要な副交感神経を高めることができることが私達のグループの研究で証明されています。
正しい日常生活の習慣と鍼治療で健康管理ができますので、是非ご相談下さい。
予防医学を取り入れて健康維持を目指しましょう
2023年1月号(第350号)
新年、明けましておめでとうございます。
鍼灸治療の大切な目的は大きく3つに分かれます。それは「病気を治す、これ以上悪くしない、予防」です。
「病気を治す」はつまり、腰が痛い、肩がこる、膝が痛いという症状を取り除くことです。これは皆様方の大きな目的であると思います。
「これ以上悪くしない」というのは、膝の骨が変形してしまったので痛みが出ている状態では、骨の変形を治すことはできませんが、変形は進行しますので、その進行を止めたり遅くしたりということです。また、ガンの抗がん剤治療の副作用をこれ以上強くしないとか、糖尿病で発症する合併症をこれ以上悪くしないという治療です。
「予防」とは、近いうちにぎっくり腰を起こす状態を回避したりとか、ぜんそくや痛風などの発作を予防したり、近いうちに来るであろう老化を予防するということです。この予防という治療は西洋医学にはありません。病気があって、検査で異常があるものに対する治療が主になりますので、この考え方は東洋医学特有のものなのです。
最近、「癒し(いやし)」という言葉を耳にすることがあると思いますが、この癒しとはホッとするとか楽だぁという感覚で、これも東洋医学独自のものだと考えています。この癒しは自律神経の副交感神経を高める作用で、鍼灸治療の最も得意とするところです。このことは実験で東洋医学研究所®の元黒野保三所長が論文で報告しています。残念なことに、中国式の鍼治療では副交感神経ではなく、交感神経を高めるだけなのでリラックス効果を得ることはできません。
今年も病気にならない、健康維持を目的とした鍼治療で、楽しく生活できるようにしましょう。是非、ご相談下さい。
健康維持を心がけましょう
2022年12月号(第349号)
今年もあと少しで終わりです。そして、コロナの再流行、インフルも気になる季節になってきました。コロナは新しい型のものが発生しており、ワクチンの効果は薄いと思われます。こんな時こそ、自分で自分の体を守る努力が必要です。
大勢の人の中に行く、換気が悪そうな建物に長時間滞在する、マスクなして近くの人と会話をするということはもちろん避けることは言うまでもありません。それでもウイルスにさらされる事態はあると思います。そんな時にウイルスに感染しないように身体を鍛えることを怠ってはいけないと考えます。
部屋でずっと椅子に座っている状態は、ケガをしないし、ウイルスにさらされることもありませんので、免疫力を高める必要がないため、免疫力は弱くなってしまいます。
一方、外に出て歩くと、ケガをする可能性が高くなるので、免疫力を高めるように働きます。また、歩くことによって外の空気を大量に吸い込むのでウイルスを身体に取り入れるため、これも免疫力を高める方向に働きます。人間は使わないと退化してしまう生き物ですので、鍛えることを念頭において行動することが大切です。
人間の健康維持に必要な条件はよく食べて、よく眠り、よく動くことです。この三つは相乗効果がありますが、一つでも不調になるとすべてが崩れてしまいます。たとえば、動かないとおなかが減りませんし、体が疲れないので眠れなくなります。簡単なことですが、ものすごく大事なことで、この関係が崩れることで睡眠薬を飲まなければ眠れないという人が多数存在します。
鍼治療は自律神経を調節することで免疫力を上げ、ウイルスに負けない身体作りのお手伝いができます。是非ご相談ください。
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