苛酷になってきた環境に対応できる身体作り
2024年12月号(第374号)
今年も残りわずか・・。今年もひどい暑さでした。治療室では11月初旬まで冷房をし、11月中旬には暖房が必要になりました。窓をあけて何もしない快適な季節である「秋」がどこかに行ってしまったような感じでした。
こんな季節ですと、急激な気温変化が身体に与える影響は大きく、咳や鼻水、くしゃみが出て困っておられる人が多くみられました。急激な気圧変動や冷えで血圧が上がったり、手足の冷えがひどく、頭痛や耳鳴り、肩こりを訴えられる人も多くみられます。
これからは過酷な気候変動が当たり前になることを予想し、このような環境に対応できる身体作りが大切だと思います。
その方法は簡単なことです。夏には暑さを身体に教え、冬には寒さを身体に教えるということです。
つまり、夏には暑い所で身体を動かし汗をかき、冬は冷たい空気を顔に当て冷たい空気を吸い込むことなのです。
つまり、冷房や暖房の部屋に1日こもっているのではなく、1日に一度は外に出て身体を動かすということです。
会社で夏は冷房で寒くて、冬は足元は寒いけど顔が暑くて赤くなるという環境にいる人は必ず外に続けて30分くらいはいるようにしてください。
暑さ・寒さを身体に覚えさせるとは、自律神経を正常に働かせるための行為なのです。夏なのに寒い、冬なのに暖かいという環境にいることが自律神経を正常に働かせることができなく、体温調節や免疫機能が上手くできなくなり、様々な症状が出てくるというわけです。
鍼治療は自律神経を調節することが可能です。病気にならない身体作りのお手伝いができます。
是非ご相談ください。
足腰を鍛える時期です
2024年11月号(第373号)
早いもので、あと2か月で今年も終わりです。10日ほど前には冷房をしていましたが、10月末からは暖房をするというような急激な気温変動で体調を崩す人が多くなりました。体調を崩す原因は体温調節をしている自律神経の不調によるものです。この自律神経を整えていくには適度な運動が最適だと思います。
体重を落としていくには夏よりも冬の方が効率的に痩せれます。なぜかというと、冬は体温を上げていかなといけないため、エネルギーの消費が多いからです。そして、エネルギー消費の源は筋肉が一番多いのです。この筋肉で、大きな筋肉は膝を伸ばすための筋肉である太ももの前の筋肉と足を上げるための足のつけねから後ろに回って腰に付いている腸腰筋という筋肉の二つがあります。
「足腰が鍛える」という言葉は文字通り膝と腰を鍛えるということですが、外では歩く、家ではスクワットをすることで二つの筋肉を鍛えることができる簡単な方法です。さて、効率よく足腰を鍛える歩くという動作ですが、背筋をまっすぐに伸ばして歩くことを意識してください。
股関節から腰に回って付く腸腰筋は足を上げる筋肉ですので、歩く時に足を上にしっかり上げる必要があり、そのためには歩幅を広げることが重要です。歩幅を広げるためには、腰を曲げて前かがみでの姿勢ではできません。正しい姿勢を維持してしっかり足を上げる必要があります。歩幅は普段の歩幅より2~3センチでもいいので長くとるイメージでいいです。決して早くあることを思わなくて結構です。
家でするスクワットは膝がつま先より前に出ないことを前提に、ゆっくりすることを心がけると効果が上がります。続けて10回やれれば完璧です。
鍼治療は血行を良くする良い治療法です。また、適切な運動のアドバイスをさせていただきますので、是非ご相談ください。
猛暑で運動不足による筋力低下
2024年10月号(第372号)
今年の夏は異常なほどの暑さで、外にも出られないほどでした。身体全体の機能を維持するにはウォーキングが良いという話は何度も述べていますが、猛暑で外に出られないことで運動不足になって筋力が低下し、これが原因で腰痛を起こして来院される人が多かったです。
筋肉量は25歳をピークに徐々に減少し、50代から急激に減少します。25歳時の筋肉量を基準にすると、60歳で約40%、70歳で約70%減少すると言われています。若い頃は平気でできた作業が年と共にできなくなるのは当然なことなのです。
このことから、1日の仕事量を100として若い頃は100の筋肉でこなせていた作業が、年と共に筋肉が減少して80になっていると、20足りないので仕事の最後の方は筋肉が疲労を起こして機能しなくなるのです。
腰は上半身の体重を周りの筋肉によって支えられていますが、筋力が低下すると上半身の体重を骨で支えるようになるために、椎間板や関節に負担がかかり腰痛を引き起こすのです。
このような時にはどうしたらいいかというと、100の仕事を80の筋肉でこなしていた80を90~95まで回復させることです。具体的には仕事が終わって帰宅する玄関先で家に入らず5~10分ほど歩くことです。
疲れている時こそ少しの運動量で筋力がアップするので短時間で効率良くジャンプアップできるわけです。
仕事でたくさん歩いているから運動不足はありませんと言われる人もいますが、そうではなくて、その全ての動きを100として100の筋肉でこなしていないので、帰宅前にさらに歩いて100に近づけるイメージです。
鍼治療は腰痛自体の痛みを軽減します。
さらに筋肉の血行を良くし、運動により疲れた筋肉を効率よく回復させることができます。
めまい、耳鳴り、頭痛・・気をつけましょう
2024年9月号(第371号)
めまい、耳鳴り、頭痛・・気をつけましょう
今年も昨年同様、猛暑、台風、ゲリラ雷雨など私達の生活を脅かす厳しい環境下におかれています。こんな時は気圧の変化が激しく、様々な症状が出てきます。
気圧の変化を耳の中のセンサーが感じ取って脳の中に信号を送ります。脳の中で誤作動が起きて自律神経を調整している場所が異常に興奮して自律神経の特徴的な症状が現れてくるのです。
代表的な症状に、めまい、耳鳴り、頭痛、不眠、のぼせ、体がだるい、食欲不振などがあります。脳の中での誤作動を起こす原因には疲れや運動不足などが大きく関与しています。
つまり、体調が悪いと環境の変化に耐えられなくなり、過敏になって自律神経の症状が出てくるわけです。
とはいえ、これだけ暑いと外を歩くのも大変です。
しかし、歩かないと疲れないので眠れず疲れがたまる一方です。
早朝や夕方を狙って歩いてみてください。
適度に身体を動かすと、体温が上がり、汗をかきます。
この働きが自律神経の働きなので、汗をかいて体温を下げる働きをしっかり使ってあげて、自律神経を鍛えてあげることが必要です。
環境の変化が原因で起こる症状は、一時的なことが多く、基本的に長続きしませんので、そのうち良くなるだろうという軽い気持ちが大切です。
不安に思っているといつまでたっても良くなりません。良くならないのでまた不安になってさらに悪くなるという悪循環に陥るのが自律神経症状を訴えられる患者さんにはよく遭遇します。
気持ちを落ち着かせてリラックスすることがこの症状を改善する近道です。
気圧の変化はこれからも続きます。上記を参考に元気に乗り越えてください。
鍼治療は自律神経のバランスを整え、リラックス効果が期待できる治療法です。是非ご相談ください。
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